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労働法判例穴埋め問題⑦(労働者間の格差・ハラスメント・過重労働・メンタルヘルス)|社労士試験の勉強

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労働法判例穴埋め問題⑦(労働者間の格差・ハラスメント・過重労働・メンタルヘルス)|社労士試験対策

近年の社労士試験では、判例の出題が増えています。

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穴埋め問題は8つあります。
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利用上の注意点
  • 本ページは厚生労働省の「確かめよう労働条件」を複写しています
    • 判例の骨子などを穴埋め問題としており、具体的な解説はしていません
  • 社労士試験に出題されるのは最高裁判例がメインです。
    • 最高裁判例には「★」を記載しています。
  • 日本法においては特に最高裁判所が示した判断を「判例」、下級審の判断は「裁判例」と区別されますが、ここではすべて「判例」として扱っています
この記事の執筆者

さむらい社労士

2006年に社労士合格。

社労士試験を15年以上見てきたノウハウをもとに、X(Twitter)で200名以上の受験生から無料相談を受ける。

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「無期・有期契約労働者間の格差」に関する判例

「無期・有期契約労働者間の格差」について、基本的な方向性は以下のとおりです。

【基本的な方向性】

(1) 有期契約労働者と無期契約労働者との間の労働条件の格差が不合理であるかどうかは、個別の労働条件ごとにその(1. 趣旨・性質 )に照らして判断されます。

(2) 職務内容等が異なる場合でも、その違いを考慮して両者の労働条件が(2.  均衡  )のとれたものであることが求められます(3.( 均衡待遇 ))


「無期・有期契約労働者間の格差」に関する判例として、以下の事件を紹介します。

★=最高裁判例

  1. ★ハマキョウレックス(差戻審)事件(H30.06,01最二小判)
  2. ★長澤運輸事件(H30.06,01最二小判)

★ハマキョウレックス(差戻審)事件(H30.06,01最二小判)

【事案の概要】

(1) Xは、Y社に有期労働契約によってトラック運転手として雇用され、その有期労働契約は、6か月毎に更新されている。

(2) Y社のトラック運転手の職務内容は、無期契約社員と有期契約社員との間で同じである。ただし、有期契約社員には就業場所の変更や出向の予定はされておらず、人材登用も予定されていない。

(3) Y社において、有期契約社員には、無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、住宅手当が支給されない。通勤手当は、無期契約社員については通勤距離に応じた額であるが、有期契約社員については3000円の定額であった。

(4) Xは、Y社における無期契約社員と有期契約社員との間における諸手当の相違は労働契約法20条に反するとして、差額の支払いを求めた。

【判示の骨子】

(1) 無事故手当、作業手当、給食手当、皆勤手当、通勤手当は、安全輸送による顧客信頼確保、特定作業への対価、食事費補助、業務円滑化のための皆勤奨励、通勤費補助というそれぞれの(1. 趣旨・性質 )に照らし、有期契約社員へ不支給又は低額支給は(2.  不合理 )である。

(2) 住宅手当は、住宅費補助の趣旨で支給されるものであり、広域転勤が予定される無期雇用社員のみに支給することは(2.  不合理 )でない。

★長澤運輸事件(H30.06,01最二小判)

【事案の概要】

(1) Xら3人は、60歳の定年後、Y社と有期労働契約を締結して再雇用されている。Xらの職務内容は正社員と変わらず、業務の都合により勤務場所や職務内容の変更がある点も同様であった。

(2) Xら3人の賃金は定年前とは異なり、基本賃金、歩合給、無事故手当、通勤手当、時間外手当で構成され、また、厚生老齢年金報酬比例部分の支給が開始されるまでは2万円の調整給が支給される。再雇用者の年収は定年退職前の79%となるよう賃金体系が設定されている。

(3) Xらは、定年の前後を通じて職務内容が同じであるにもかかわらず、定年後において賃金が減額されたのは労働契約法20条違反であるとして、差額の支払いを求めた。

【判示の骨子】

(1) 定年後に再雇用されていることは賃金格差を不合理でないとする1つの考慮要素となる。

(2) 再雇用であることと関連のない賃金項目については正社員との(1. 均等待遇 )が求められる。

(3) 再雇用であることと関連する賃金項目についても事情の違いに応じた(1. 均等待遇 )が求められ、この均衡の幅を判断する際には(2. 労使交渉 )のプロセスや使用者の(3. 経営判断 )(賃金体系の設計)も考慮される。

(4) Y社では、(2. 労使交渉 )を経て、老齢厚生年金報酬比例部分の支給開始までの間に再雇用者に対して2万円の調整給を支給するなど賃金制度設計上の配慮や工夫をしており、年収の2割程度の相違は不合理でない。

(5) 精勤手当について、再雇用者と正社員との間で皆勤を奨励する(4.  必要性 )に相違はなく、再雇用者へ精勤手当の支給されないこと、再雇用者の時間外手当の計算基礎に精勤手当が含まれないことは、不合理である。住宅手当、家族手当、役付き手当、賞与を正社員のみに支給することは、その(5.趣旨・目的)に照らして不合理ではない。

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「セクハラ」に関する判例

「セクハラ」について、基本的な方向性は以下のとおりです。

【基本的な方向性】

(1) セクハラは、被害者の(1. 人格的利益 )や「働きやすい(2. 職場環境 )のなかで働く利益」を侵害する行為として(3. 不法行為 )にあたり損害賠償請求の対象となりえます。例えば、(4.上司たる地位)を利用して性的関係を迫る、相手の意に反して身体を触る、卑猥な言葉をかける、交際を迫ってつきまとうなどの行為がそれにあたります。

(2) 使用者は、その被用者の行為がセクハラとして不法行為に当たる場合、使用者として被害者に対して(5.損害賠償責任)を負う場合があります。

(3) 使用者は、労働者に対して「働きやすい良好な(6. 職場環境 )を維持する義務」を労働契約上の付随義務((7. 信義則上 )の義務)または不法行為法上の注意義務として負っており、これに違反した場合には(8.債務不履行ま)たは不法行為として、(5.損害賠償責任)を負うことがあります。


「セクハラ」に関する判例として、以下の事件を紹介します。

★=最高裁判例

  1. ★海遊館セクハラ事件(H27.06.08最一小判)
  2. ★イビデン(セクハラ)事件(H30.02.15最一小判)

★海遊館セクハラ事件(H27.06.08最一小判)

【事案の概要】

(1) Y社の従業員であるXら2人は、1年以上にわたり女性従業員に対して、極めて露骨で卑わいな発言、侮蔑的ないし下品な言辞等を繰り返した。

(2) Y社は、セクハラを理由として、Xらに対し、懲戒処分として30日間ないし10日間の出勤停止処分を行うとともに、懲戒処分を受けたことを理由に降格させた。これらの処分により、Xらの給与と賞与は減額された。

(3) Xらは、懲戒処分(出勤停止)及び降格処分の無効を求めた。

(4) 大阪高裁はXらの請求を一部認めたが、最高裁は、原審でのY社の敗訴部分を破棄し、Xらの請求を棄却した。

【判示の骨子】

(1) ・・・(略)・・・。

(2) Y社は、職場におけるセクハラの防止を重要課題と位置付け、・・・(略)・・・、セクハラ防止のために種々の取組を行っていた。Xらは、管理職として部下職員を指導すべき立場にあったにもかかわらず、セクハラ行為を繰り返したものであって、その(1.  職責  )や立場に照らしても著しく不適切である。

(3) 管理職であるXらが反復継続的に行った極めて不適切なセクハラ行為がY社の(2. 企業秩序 )や職場規律に及ぼした(3. 有害な影響 )は看過し難い。

(4) 出勤停止処分が懲戒処分として重きに失し、社会通念上相当性を欠くものではない。Y社は(4. 懲戒権 )を濫用したものとはいえず、出勤停止処分及び降格処分は有効である。

★イビデン(セクハラ)事件(H30.02.15最一小判)

【事案の概要】

(1) A社はY社の子会社である。A社の社員Ⅹは、Y社の事業所内で就労していたところ、同じ事業所内で就労していたBから執拗に交際を要求され、自宅におしかけるなどされた。

(2) A社は、Ⅹから被害について相談を受けたが、 ・・・(略)・・・何らの措置も講じないことから、ⅩはA社を退職した。

(3) Y社は、 ・・・(略)・・・、自社及び子会社からなる企業グループの業務の適正を確保するため、相談窓口の設置などの体制を整備していた。

(4) 退職後もBのつきまとい行為が続いたため、Ⅹの元同僚が、Y社に対し、Ⅹ及びBから事実確認等を行うよう求めた。Y社は、 ・・・(略)・・・、A社から事実無しとの報告を受けたため、Ⅹに対する事実確認を行わなかった。

(5) Ⅹは、Y社は企業グループの業務の適正を確保するための体制を整備していたにもかかわらず相応の措置をとらなかったことは信義則上の義務違反に当たるとして、損害賠償を求めた。

【判示の骨子】

(1) A社は就業環境に関して労働者からの相談に応じて適切に対処すべき雇用契約上の(1. 付随義務 )を負うが、Y社はA社の負う(1. 付随義務 )を履行する義務を負うものではない。A社が(1. 付随義務 )に基づく対応を怠ったことのみをもって、Y社のⅩに対する(2. 信義則上 )の義務違反があったとはいえない。

(2) Y社においては、子会社を含めたグループ会社の事業場内での違反行為によって被害を受けた従業員が相談窓口に相談を申し出れば、Y社は相応の対応することとされている。したがって、申し出の具体的状況によっては、Y社は、申し出者に対し適切に対応すべき(2. 信義則上 )の義務を負う。

(3) 退職前にXは相談窓口に相談の申し出をしていないから、退職前のBの行為について、Y社はXに対して上記(2)の義務を負うものではない。

(4) 退職後において、Xの元同僚が相談窓口に対して事実確認等の対応を求めたが、相談窓口体制は申立者の求める通りの対応を取ることを義務付けるものではない。また、相談内容が、Xの退職後相当の期間を経過したものであり、かつ、(3. 事業場外 )の出来事であったから、Y社には上記(2)の義務違反はない。

「マタニティハラスメント」に関する判例

「マタニティハラスメント」について、基本的な方向性は以下のとおりです。

【基本的な方向性】

(1) 妊娠したことによって労働者が軽易な業務への(1. 転換権 )を行使した場合(労基法65条3項)、使用者はその要求に応じなければならず、軽易な業務への転換の要求をしたことを理由として、使用者はその女性労働者に対して(2.  解雇  )その他の不利益な扱いをしてはなりません(均等法9条3項)。

(2) 女性労働者が(1. 転換権 )の行使により軽易な業務になったことを契機として、使用者がその女性労働者に対して(3.  降格  )を行う場合は、原則として均等法9条3項の不利益取り扱いに当たります。

(3) 使用者が軽易な作業への転換権の行使を理由にその女性労働者を(3.  降格  )した場合、その(3.  降格  )が有効であるためには、それが女性労働者の(4. 自由な意思 )に基づいて(3.  降格  )を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が客観的に存在するという、均等法9条3項の趣旨及び目的に実質的に反しない(5.特段の事情)が必要です。


「マタニティハラスメント」に関する判例として、以下の事件を紹介します。

★=最高裁判例

  1. ★広島市中央保健生協事件(H26.10.23最一小判)
  2. 差戻後控訴審 (H27.11.17広島高判)

★広島市中央保健生協事件(H26.10.23最一小判)

【事案の概要】

(1) 理学療法士である副主任の女性Xが妊娠したので、使用者であるY生協は、女性Xを労基法65条3項による「軽易な業務」への転換を求め、Y生協も転換したが、その転換に際して、勤務先であるY生協は副主任を免じ(本件措置1)、さらに産前産後休業、育児休業終了後に復帰しても副主任へ任じなかった(本件措置2)

(2) 女性Xは、本件措置1、2が均等法9条3項に違反するものとして、管理職(副主任)手当(月額9,500円)の支払いと債務不履行または不法行為に基づく損害賠償請求権を行使した。第一審(平24・2・24広島地判)、控訴審(平24・7・10広島高判)はいずれも女性Xの請求を棄却した。

(3) なお、本判決は、結論として控訴審判決(平24・7・29広島高判)を破棄して差戻しをしたが、再戻後の控訴審判決(平27・11・17広島高判)は、本件最高裁判決を受け、本件措置1につき、均等法9条3項違反であるとして、慰謝料100万円と副主任手当不支給額全額の全額の支払いを命じた

【判示の骨子】

(1) ・・・(略)・・・、本件措置1による降格は、軽易業務への転換期間の経過後も副主任への復帰を予定していないものといわざるを得ず、Xの(1.  意向  )に反するべきであったというべきである。

(2) Xにおいて、本件措置1による影響につき事業主から適切な説明を受けて(2. 十分に理解 )した上でその諾否を決定し得たものとはいえず、Xにつき・・・(3. 自由な意思 )に基づいて降格を承諾したものと認めるに足りる合理的な理由が(4. 客観的  )に存在するということはできないというべきである。

(3) 本件措置1については、Y生協における業務上の負担の軽減の内容や程度を基礎付ける事情の有無などの点が明らかにされない限り、・・・均等法9条3項の趣旨及び目的に(5. 実質的 )に反しないものと認められる特段の事情の存在を認めることはできないものというべきである。

差戻後控訴審 (H27.11.17広島高判)

【事案の概要】 

差戻後の控訴審は、最高裁判決を受け、本件措置1につき、均等法9条3項違反であるとして、慰謝料100万円と副主任手当の全額の支払いを命じた。

【判示の骨子】

(1) 本件措置1について
均等法9条3項の規定は、同法の定める目的及び(1. 基本理念 )を実現するためにこれに反する事業主による措置を禁止する 強行規定 として設けられたものと解され、女性労働者につき軽易業務への転換等を理由として(2.不利益取扱い)をすることは同項に違反して違法であり、無効であると解されるところ、本件措置1につき、これを違法、無効でないとする事由が存在しない。

(2) ・・・(略)・・・、Xが副主任免除に異議がなかったとまではいえず、承諾を(3. 自由意思 )だと認定する合理的理由が客観的に存在するとまではいえない。

(3) Y生協には、本件措置1をなすにつき、使用者として、Xとしての母性を尊重し職業生活の充実の確保を果たすべき義務に違反した(4.  過失  )(不法行為)、労働法上の(5.配慮義務違反)(債務不履行)があるというべきであり、その重大さも不法行為又は債務不履行として民法上の(6. 損害賠償責任 )を負わせるに十分な程度に達していると判断できる。

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「過重労働」に関する判例

「過重労働」について、基本的な方向性は以下のとおりです。

【基本的な方向性】

(1) 使用者は「その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う(1.  疲労  )や(2. 心理的負荷 )等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務」(3.(安全配慮義務))を負う(電通事件最高裁判決)。

(2) 労働者が恒常的に著しく長時間にわたり業務に従事しており、会社側が労働者の(4.健康状態の悪化)を認識しながらも、(5. 負担軽減 )等を講じない場合には、使用者は(3. 安全配慮義務 )違反を理由とした民事損害賠償責任を負う。

(3) 労災認定においても、労働者に対し恒常的に著しい(6. 長時間労働 )が認められた場合、「過重な(7.精神的・身体的負荷)がXの右基礎疾患をその自然の経過を超えて憎悪させ、右発症に至ったものとみるのが相当」とし、労災不支給決定処分が取り消され(横浜南労基署長事件最高裁判決)、その後の労災認定基準の大幅な見直しに繋がった。


「過重労働」に関する判例として、以下の事件を紹介します。

  1. ★電通事件(H12.03.24最二小判)
  2. ★横浜南労基署長事件(H12.07.17最一小判)

★電通事件(H12.03.24最二小判)

【事案の概要】

(1) Yに新卒採用され、2年目の若手社員Aがラジオ局ラジオ推進部に配属され勤務していたところ、自宅において自殺した。・・・(略)・・・、所定労働時間内は連絡、打合せ等の業務で占められ、所定労働時間の経過後にしか起案等を開始することができず、そのために長時間にわたる残業を行うことが常況となっていた。

(2) Aの両親であるXは、AがYから長時間労働を強いられたためにうつ病に陥り、その結果自殺に追い込まれたとして、Yに対し、安全配慮義務違反または不法行為による損害賠償を請求した。

(3) 本最高裁判決は使用者が「業務の遂行に伴う疲労や心理的負荷等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う」ことを明らかにした上で、継続的な長時間労働によるうつ病罹患と自殺について、Yに対し民事損害賠償義務を認めたものであり、過重労働による安全配慮義務違反に係るリーディングケースである。

【判示の骨子】

(1) 労働者が労働日に(1.  長時間  )にわたり業務に従事する状況が継続するなどして、(2.  疲労  )や(3. 心理的負荷 )等が過度に蓄積すると、労働者の心身の健康を損なう危険のあることは、周知のところである。・・・(略)・・・。

使用者は、その雇用する労働者に従事させる業務を定めてこれを管理するに際し、業務の遂行に伴う(2.  疲労  )や(3. 心理的負荷 )等等が過度に蓄積して労働者の心身の健康を損なうことがないよう(4. 注意する義務 )を負うと解するのが相当であり、使用者に代わって労働者に対し業務上の(5. 指揮監督 )を行う権限を有する者は、使用者の右注意義務の内容に従って、その権限を行使すべきである。

(2) ・・・(略)・・・。

(3) 原審は、右経過に加えて、うつ病の発症等に関する前記の知見を考慮し、Aの業務の遂行とそのうつ病り患による自殺との間には(6.相当因果関係)があるとした上、Aの上司であるB及びCには、Aが恒常的に著しく(7.  長時間  )にわたり業務に従事していること及びその健康状態が悪化していることを認識しながら、その負担を軽減させるための措置を採らなかったことにつき(8.  過失  )があるとして、Yの民法715条に基づく(9.損害賠償責任)を肯定したものであって、その判断は正当として是認することができる。

★横浜南労基署長事件(H12.07.17最一小判)

【事案の概要】

(1) 支店長付運転手X(発症時54歳)は、業務中に発症したくも膜下出血について、発症前に従事した業務の負荷により発症したとして、労災保険法上の休業補償を請求したが、不支給処分となったため、その取消を求めて提訴したもの。

(2) 横浜地裁はXの請求を認容、東京高裁は請求を棄却したが、最高裁は、請求を認容した

【判示の骨子】

(1) Xの業務は、業務の性質からして(1. 精神的緊張 )を伴うものであった上、不規則なものであり、その時間は早朝から深夜に及ぶ場合があって拘束時間が極めて長く、また、待機時間の存在を考慮しても、その労働密度は決して低くはないというべきである。

(2) とりわけ発症の約半年前の昭和58年12月以降の勤務は(2.精神的、身体的)にかなりの負担となり、慢性的な疲労をもたらしたことは否定し難い。加えて、発症の前日から当日の業務は、それまでの長期間にわたる(3.  過重  )な業務負担の継続と相まって、Xにかなりの(2.精神的、身体的)負荷を与えたものとみるべきである。

(3) ・・・(略)・・・

「メンタルヘルス」に関する判例

「メンタルヘルス」について、基本的な方向性は以下のとおりです。

【基本的な方向性】

(1) 企業には、労働者の生命や身体等の安全、健康に配慮する義務、いわゆる「(1. 安全配慮義務 )(労契法5条)があります。

(2) メンタルヘルスの不調については、本人が(2.  申告  )しにくい情報であることから、企業は、労働者からの(2.  申告  )がなくても、その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき(1. 安全配慮義務 )を負っています。この(1. 安全配慮義務 )を果たさないときには、損害賠償責任が生じます。


「メンタルヘルス」に関する判例として、以下の事件を紹介します。

  1. ★東芝事件(H26.03.24最二小判)

★東芝事件(H26.03.24最二小判)

【事案の概要】

(1) Yに入社したXは、入社10年後の平成12年11月にはプロジェクトのリーダーとなったが、不眠症などの不調を訴えるようになり、業務の軽減などを申し入れても容れられず、さらに業務を追加されるなどした結果、体調が悪化し、有給休暇をすべて取得した後に欠勤し、休職期間が満了した平成16年9月に解雇された。そこでXは、「うつ」の発症は過重な業務が原因であることから、解雇は無効であるとして、地位の確認と解雇後の賃金、慰謝料等を求めて提訴したもの。

(2) 東京地裁は、YがXの業務を軽減しなかったことは安全配慮義務違反にあたるとしたが、東京高裁は、Xが外部の医院にかかっていた事実や病名をYに報告しなかったことにも責任の一端はあるとして、過失相殺を認め損害賠償額を減額した。最高裁では、YはXの体調の悪化に気付ける状況にあったことから、労働者が申告しなくても業務を軽減するなど配慮しなければならないとして、過失相殺を認めず、一部を破棄し東京高裁に差戻した

【判示の骨子】

(1) メンタルヘルスに関する神経科の医院への通院、その診断に係る病名、神経症に適応のある薬剤の処方等の情報は、労働者にとって、自己の(1.プライバシー)に属する情報であり、人事考課等に影響し得る事柄として通常は職場において知られることなく就労を継続しようとすることが想定される性質の情報である。

(2) 企業者は、必ずしもメンタルヘルスに関する情報について労働者からの(2.  申告  )がなくても、その健康に関わる労働環境等に十分な注意を払うべき(3.安全配慮義務)を負っている。

(3) 労働者にとって過重な業務が続く中でその体調の悪化が看取される場合には、労働者本人から積極的な(2.  申告  )が期待し難いことを前提とした上で、必要に応じてその業務を軽減するなど労働者の(4. 心身の健康 )への配慮に努める必要があるものというべきである。

(4) 労働者がメンタルヘルスに関する情報を企業者に  申告  しなかったことをもって、(3.安全配慮義務)違反に基く損害賠償の額を定めるにあたって(5  過失相殺 )をすることはできない。

その他の判例穴埋め問題

目的条文の穴埋め問題もぜひご利用ください

  1. 主要法令
  2. 労一①
  3. 労一②
  4. 社一
  5. その他

※本ページは厚生労働省の「確かめよう労働条件」を元に作成されております。

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