【完全版】履歴書の資格欄|資格と免許の正しい書き方ガイド
- 履歴書の資格欄ってどこまで書けばいいの?
- 書きすぎると資格マニアって思われない?
- 資格がない場合は書く必要はないの?
そんな疑問にお答えします。
就職活動や転職時における履歴書の資格欄は、自己PRの絶好のチャンス。
しかし、すべての資格を記載すれば良いわけではありません。
そこでこの記事では、履歴書の資格記載方法と重要性を深掘りし、自己の強みをアピールする方法について解説します。
結論からいうと、専門性や求められる職種に応じて資格を選び、適切な方法で履歴書に記載することが大事です。
この記事を読めば、資格欄を効果的に活用できるようになり、あなたの市場価値を向上させられるでしょう。
履歴書に記載すべき資格|専門性や適性をアピールする
履歴書に資格を記載することは、専門性や適性をアピールし、企業に自分の魅力を伝える上で重要です。
適切に記載すれば、採用担当者にも良い印象を与えられるでしょう。
ここでは履歴書に記載する、以下の2種類について説明します。
- 必須資格
- 特定の職種で絶対に必要な資格
- 任意資格
- 自己アピールに役立つ資格
必須資格|特定の職種で絶対に必要な資格
必須資格とは、特定の職種で絶対に必要な資格のこと。
【必須資格の例】
- 医師:医師免許
- 看護師:看護師免許
- 保育士:保育士免許
必須資格は、履歴書に必ず記載してください。
求人の必須条件になっていることも多く、資格の記載がないと書類選考すら通過できません。
職種によって必須資格は異なるので、求人情報を確認しましょう。
任意資格|自己アピールに役立つ資格
任意資格は、所有していることで自己アピールに役立つ資格のこと。
【任意資格の例】
- TOEICのスコア
- IT関連の資格
- 簿記関連の資格
任意資格は必須ではありませんが、業界や職種によっては高く評価されます。
応募先の業界・職種で高く評価される任意資格を、リストアップしておきましょう。
また実務経験が少ない場合、資格があることで能力の裏付けにもなります。
TOEICや簿記は汎用性が高いので、履歴書に記載したほうが有利になりますよ。
履歴書に書くと有利な資格の種類
一般的に履歴書に書くと有利になる資格は、以下の通りです。
- 国家資格
- 業界固有の資格
- IT資格
- 語学資格
- プロジェクト管理資格
- 医療関連資格
- 法律関連資格
- 教育関連資格
- 会計資格
- マーケティング資格
- 専門技術資格
- ビジネススキル資格
また履歴書に記載する資格は、応募する業界や職種によって有効性が異なります。
重要なのは、自分が応募する職種に有利になる資格を選ぶこと。
以下を参考に、自分が応募する職種・業界に合った資格を履歴書に記載しましょう。
【職種・業界と有利になる資格例】
- 人事・労務関連
- 社会保険労務士
- 衛生管理者
- 不動産業界
- 宅地建物取引士
- マンション管理士
- IT業界
- 基本情報技術者
- Cisco技術者認定資格
- 国際ビジネス企業
- TOEIC
- 英語検定
これらの資格を持っていれば、専門的な知識や技術力を証明することにもなりますよ。
履歴書の資格欄の書き方|ポイント3つ
履歴書に資格を記載する場合は、「資格の種類」と「取得時期」をハッキリと伝えなくてはいけません。
そのため以下の3つのポイントをおさえ、履歴書の資格欄に記載してください。
- 正式名称で記載する
- 資格取得日を記載する
- 「合格」「登録」を区別して記載する
具体的には「普通自動車免許(AT限定)2018年5月取得」といった形で、「資格の正式名称」と「取得日」を一緒に記載します。
また資格によっては「試験合格」なのか「登録しているのか」をわかるようにしましょう。
正式名称で記載する
履歴書の資格欄に記載する際は、略称を使わず正式名称を用いましょう。
資格名が法律や公式ガイドラインによって定められている場合には、定められた正式名称を記載してください。
【正式名称の記載例】
略称 | 正式名称 |
---|---|
社労士 | 社会保険労務士 |
宅建士 | 宅地建物取引士 |
MOS | Microsoft Office Specialist |
簿記◯級 | 日本商工会議所簿記検定試験◯級 |
正式名称を記載することで、あなたの丁寧さや信頼性をアピールすることにも繋がりますよ。
資格取得日を記載する
資格取得日を記載するときのポイントは、以下の通りです。
- 年月の形式で記載する
- 日付まで明記が求められる場合は、年月日で記載する
- 取得日が不明な場合は、推定時期を記載するか省略する
- 有効期限が決まっている場合は、更新日や有効期限も記載する
正確な資格取得日を記載することで、最新の資格や経歴について正しく理解してもらえます。
資格取得日の書き方は、一般的に「2023年4月」のように年月の形式で記載します。
日付まで求められる場合には「2023年4月10日」のように記載してください。
具体的な時期を明記することで、人事担当者も取得時期を正確に判断できますよ。
資格取得日が不明な場合は、推定時期を記載するか、取得日欄を省略しましょう。
ただし、資格の有効期限が定められている場合には、更新日や有効期限をあわせて記載することが大切です。
資格が現在も有効であることを示せます。
試験合格か登録か区別する
資格の中には、試験に合格後に所定の手続き(登録)をして、はじめて名乗れる資格があります。
その場合は「試験合格」か「登録」か、履歴書の資格欄にわかるように記載しましょう。
国家資格だと、登録して初めて資格を名乗れるものもありますよ。
具体的には、以下のように記載しましょう。
(例)社会保険労務士の場合
- 試験合格のみ
- 2023年11月 社会保険労務士 試験合格
- 登録をしている場合
- 2023年11月 社会保険労務士合格(登録番号12345678)
専門業務を請け負っている企業だと、資格の登録が必要な場合もあります。
現時点で登録をしていないなら、いつまでに登録が必要か、面接時に確認しておきましょう。
履歴書の資格の書き方例
ここでは、履歴書の資格の書き方例を紹介します。
運転免許
運転免許は、職種によっては必須条件となることがあります。
持っている運転免許の種類や、取得年月日を明確に記すことが大切です。
「普通自動車運転免許(AT限定)」や「普通自動車運転免許(MT)」のように、限定条件を含めて記載してください。
「2020年5月取得」と取得年月日も併記することで、資格の新しさをアピールできます。
国際運転免許や特殊な免許を保有している場合は、応募する職種によっては大きなアドバンテージとなります。
有効期限が近い免許は更新予定であることを記載し、採用担当者への不安を解消しましょう。
二輪車免許やその他の免許も、必要に応じて記載することが大切です。
応募する職種が運転業務の場合は、免許の種類が重要です。
免許の種類を強調して記載しましょう。
IT関連資格
IT業界でキャリアアップや転職を目指す際、IT関連資格は大きなアドバンテージとなります。
IT関連資格は、専門スキルの証明としても、キャリアをさらに充実させる手段としても有効です。
例えば、
「基本情報技術者 2021年4月取得」や「Oracle Certified Java Programmer, Silver SE 8 認定資格 2023年4月取得」のように表記してください。
IT関連資格には、以下のものがあります。
- ITパスポート試験
- 基本情報技術者試験(FE)
- 応用情報技術者試験(AP)
- PMP(プロジェクトマネージメント・プロフェッショナル)
- ITILファンデーション証明書
- AWS認定ソリューションアーキテクト
- Google Cloud認定プロフェッショナル
- Oracle認定プロフェッショナル
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- データベーススペシャリスト試験
- 情報セキュリティマネジメント試験
- シスコ認定ネットワークアソシエート(CCNA)
- マイクロソフト認定プロフェッショナル(MCP)
- Linux Professional Institute Certification(LPIC)
- Certified Information Systems Security Professional(CISSP)
- CompTIA A+
- CompTIA Network+
- CompTIA Security+
- Scrum Master認定(PSM I)
基本情報技術者試験や応用情報技術者試験は、ITの基礎を証明する国家資格です。幅広い分野で活躍するための基盤となります。
プロジェクトマネージメントや、ITサービス管理の知識を示すPMPやITILファンデーションは、管理能力があることを示します。マネジメント層への昇進に役立つでしょう。
AWS認定ソリューションアーキテクトや、Google Cloud認定プロフェッショナルなどの資格も、最先端技術を扱える能力をアピールできます。
IT資格が複数ある場合は、関連性の高い資格から順に記入することで、専門性をより強調できますよ。
語学資格
現代社会において、語学資格は重要なスキルの一つ。
履歴書に記載することで、多言語への対応能力をアピールできます。
国際的に認知される資格を持つと、海外とのやり取りが必要な職種や外資系企業への就職・転職に有利です。
語学資格を記載する際は「資格名、スコア、年月」を正確に記すことが重要です。
「TOEIC850点 2020年9月」のように記載してください。
TOEICやTOEFL、IELTSなどの英語検定は知名度が高く、国際ビジネスシーンにおけるコミュニケーション能力の証明となります。
語学資格の種類は多岐にわたり、各言語ごとの資格は以下のとおりです。
- 英語検定:TOEIC、TOEFL、IELTS
- 日本語検定:日本語教育能力検定試験
- ドイツ語検定:Goethe-Zertifikat
- フランス語検定:DELF、DALF
- 中国語検定:HSK
- 韓国語能力試験:TOPIK
- スペイン語検定:DELE
- イタリア語検定:CELI、CILS
- ロシア語検定:TORFL
- アラビア語検定:ALPT
履歴書に語学資格を記載することで、自身の語学力レベルを明確に伝えられます。
国際的に認知されている資格を優先して記載するのがポイントです。
求められる語学力に応じた資格を選ぶと、より効果的な自己アピールになりますよ。
専門的な国家資格
特定の職業に就くためには、専門的な国家資格が欠かせません。
専門的な国家資格は職業に関する基本的な能力を証明し、専門知識と技能が認められていることを示します。
履歴書には、下記のように記載しましょう。
- 看護師 2019年3月取得
- 公認会計士 2017年11月取得
- 社会保険労務士 2023年10月取得
専門的な国家資格として、以下のものがあげられます。
- 弁護士資格
- 医師免許
- 公認会計士資格
- 税理士資格
- 社会保険労務士資格
- 行政書士資格
- 一級建築士資格
- 薬剤師免許
- 登録販売者資格
- 教員免許
- 看護師免許
- 技術士資格
- 土地家屋調査士資格
- 臨床心理士資格
人事や総務を目指すなら社会保険労務士が、財務や経理を目指すなら公認会計士や税理士資格があると有利です。
建築士の職には一級建築士資格が必要です。教員になるには、教員免許が欠かせません。
専門的な国家資格は、特定の職業に従事するための入り口と言えるでしょう。
資格が多数ある場合
資格が多数ある場合には、以下の工夫が必要です。
- 応募先の業種や職種に関連する資格を優先して記載する
- 重要度や関連度が高い資格を厳選する
- レベルが高いものや最新のものを記載する
- 記載できる資格に限りがある場合は、選択して記載する
- 資格欄が長くなる場合は、別紙に詳細を記載する旨を付記する
専門性や即戦力をアピールするために、応募先の業種や職種に直接関係する資格を優先して記載することが重要です。
また、重要度や関連度が高い資格を厳選して記載しましょう。
応募先が重視する情報を、しっかり把握してください。
同種の資格が複数ある場合は、レベルが高いものや最新の資格を優先して記載しましょう。
高いスキルレベルと、最新の知識を持っていることが強調されます。
ただし、スペースの都合上、記載できる資格には限りがあります。複数の資格を有している場合には、記載する資格を厳選しましょう。
履歴書のスペースが足りない場合は、別紙に詳細を記載する旨を付記することも可能です。
履歴書をすっきり保ちつつ、あなたが持っている資格の全体像を伝えられます。
資格がない場合の資格欄の書き方
資格がない場合でも、履歴書の資格欄を上手に活用することが重要です。
空欄を避け、以下の対応を選択してください。
- 「特になし」と書く
- 勉強中や取得予定の資格について書く
「特になし」と書く場合
免許・資格がない場合は、「特になし」と書くのが一般的です。
ただしその場合は、他の欄であなたの強みを記載しましょう。
将来取得予定の資格があれば「取得予定資格」など、前向きな表現を用いる方法もあります。
向上心があることを見せられます。
否定的な印象を与えないような工夫も必要ですね。
勉強中の資格の場合
履歴書には、現在勉強中の資格も記載すると良いでしょう。
資格の正式名称を用いて記述し、取得予定日や試験予定日を明記します。
「取得予定」や「受験予定」といったフレーズを使うことで、向上心があることをアピールできます。
面接では、勉強の進捗度合いを簡潔に説明すると、真剣に資格取得に取り組んでいる姿勢を見せられます。
資格が応募先の職種と関連している場合、スキルを簡潔に説明すると効果的です。
自己啓発として学習していることがある場合にも、仕事でどう役立つかを簡単に加えましょう。
資格欄に書かない方がいいもの
履歴書の資格欄には仕事に直結する、または重要な資格を記載することが望ましいです。
仕事とは直接関係がない、あるいは一般的なスキルは含めるべきではありません。
具体的には、以下のものがあげられます。
- 仕事に直接関係ない資格
- 趣味の資格
また、以下のような内容は、記載しないでください。
- 期限切れの資格やライセンス
- 非公式な証明書や参加証
- 自己流で学んだスキルや未認定の能力
- 高校生レベル以下の学歴や受賞歴
- 職務経験と無関係なボランティア活動や趣味
- 過度に古いまたは非関連の研修やセミナー参加歴
仕事に直接関係ない資格
仕事に直接関係ない資格は通常、履歴書の資格欄には書きません。
応募する職種に対して、直接的なスキルや知識を示さないためです。
仕事に直接関係ない資格として、以下のものがあげられます。
- ペット飼育管理士
- アロマセラピー検定
- ネイルテクニシャン検定
- バーテンダー検定
- ヨガインストラクター資格
- 華道・茶道などの伝統文化に関する資格
- パーソナルカラリスト検定
- パン・お菓子作りの資格
- ダイビングの資格
- 星空ガイド資格 など
ただし個人のスキルや趣味を示す資格は、面接時に話題に出すことでコミュニケーションのきっかけになります。
自己PRの材料として活用するのもいいでしょう。
趣味の資格
趣味の資格も、仕事に直接影響を与えるわけではありません。
趣味の資格が履歴書でどのように映るかは、応募する業界や職種によって大きく異なります。
趣味の資格の代表例は、以下の通りです。
- コーヒーマイスター
- 日本酒ソムリエ
- ペットケアスペシャリスト
- 茶道・華道の資格
- 写真家ライセンス
- パン職人技能士
- スポーツインストラクター
- フラワーアレンジメント資格
- 手品師認定資格
- カクテル認定バーテンダー
- 着物着付け技能士
ただし趣味の資格も、自己の多面性や学習意欲をアピールできるケースがあります。
- 仕事に活かせる可能性
- 自身の価値観
- 人柄を反映する手段として適切か
を見極めたうえで、記載を検討しましょう。
接客業や福祉関係の仕事では、趣味の資格がプラスになることもあります。
しかし事務職や技術職では、関連性のない趣味の資格の記載は控えましょう。
まとめ
履歴書には必須資格と仕事に関連する任意資格を選んで効果的に記載しましょう。
資格の正式名称を明記し、取得日を加えることで、履歴書の信頼性と専門性をアピールできます。
多数の資格を保有している場合は、重要度の高いもを厳選して記載するのが望ましいです。
就職や転職に有利な資格には以下のものが含まれます。
- 運転免許
- IT関連
- 語学
- 専門的な国家資格
一方、資格がない場合は「特になし」と記載するか、勉強中の資格を示すと良いでしょう。
仕事に直結しない趣味の資格は、履歴書に書かないよう注意してください。
ポイントを踏まえたうえで履歴書を作成すると、転職や就職活動において好印象を与えられます。
資格欄は、あなたの専門性やスキルをアピールする重要な場所です。
効果的に活用し、あなたの市場価値を向上させてください。